チヌの塩焼き

チヌの塩焼き


チヌの塩焼き  釣人たちのあいだで一番人気のある魚はチヌだといわれています。釣り上げるのにちょっとしたコツが必要で、釣りにくい点が太公望たちの釣り心をくすぐるのでしょうか。よく魚拓などにされて、釣人の自慢のタネになっているのを見かけます。
チヌというのは、岡山をはじめとする西日本での呼び名で、和名はクロダイ、体の上部が黒っぼいのでこの名があります。
 大きさにより一年魚(体長約四センチメートル)、二年魚(体長約二十ニセンチメートル)、三年魚に分けられ、体長約四十センチメートルの大きさになるには八〜九年もかかります。おもしろいことにこの魚は、幼魚のときは全部雄で、その後成長するにつれて雌雄同体となり、四歳位になると性転換して雌になるものが半数ほどいます。
 産後三日のうちにチヌを食べさすと古い血を洗うからよいといわれ、出産すると里から届けたり、親が買って食べさせるところもあります。しかし一方では精が強いので、あまりたくさん食べるとよくないなどともいわれています。
 さて、そのチヌの料理ですが、「一番おいしいのは塩焼きじゃ」と地元の人たちは口をそろえます。尾ぴれと背びれには多目に塩をぷり、身のしまったところで炭火で焼きます。炭火でないとチヌの特有の色が出ないし、味も落ちるといいます。塩焼きというと、ただ焼くだけで簡単なようにみえ字が、それだけに材料が大切にされる料理といえます。