サワガニのから揚げ
英田町を東西に流れる河会川をさかのぼってゆくと真神集落があり、美しい三重塔が見えてきます。真木山長福寺にある鎌倉期の三重の塔で国の重要文化財に指定されていますが、このあたりは昔、多くの堂塔が建ちならんで栄えた土地です。この真木山の一帯は山の緑と水に恵まれており、サワガニがたくさん生息しています。清らかな水を好むサワガニは、一生を淡水で過ごし、岩や小石の多い谷川に多く見られます。 山あいの木々の間を流れる川では、木洩れ日が水面に美しく映え、サワガニが群れ遊んでいます。サフガニの捕獲法はいたって単純で、遊んでいるカニを手でつかみ、バケツに入れていけぱいいのですが、近よるとすぐに穴に逃げ込んでしまいますし、ハサミではさまれないようにとるのが大変です。捕獲したカニは、短期間であればカゴや箱に入れて生かしておくことができます。二日ぐらいたつと食べていたものを全部消化してしまいますので、それから調理するのがおいしく食べるコツです。 サワガニの料理としては、佃煮風の煮つけにしたり、串に刺して味暗のつけ焼きにしたものなどが、酒の肴に喜ばれる食べ方です。から揚げにしたものも手軽でおいしく、よく用いられる料理法です。 サワガニのから揚げは生きたままのカニを、一匹一匹熱い油の中に放り込みますので「カニさんカニさん、ごめんなあ」とあやまりながらの調理です。それに殻のままで食べますので、パリパリとおせんべいのように口の中で砕けるようになるまで中火でゆっくり、焦げないように注意して揚げます。 このカニの養殖も考えられましたが、それぞれ一匹ごとに一つの穴を持って生息するため、コンクリートの養殖では無理で実現しませんでした。 サワガニは、県北の谷川に広く生息していますが、養殖が難しいだけに乱獲をすると、サワガニそのものが絶滅してしまう恐れがあります。 |